また、作ってしまった。
※上の回路図では、エミッタフォロアーは5ピンコネクタの、向こうに有るので省略してある。
回路はほぼ前回と同じだが、
・初段のバイアス抵抗を2.4MΩから1.8MΩに変更して初段の電位を持ち上げた。
・ついでにQ1、Q3間の抵抗を3kΩから2kΩに変更した。
この変更で最大出力付近の歪率がかなり減っている。
・そして、コンパクトな筐体に収めるべく出力のカップリングコンデンサーを前回6800μF✕2から3300μF✕4に変更してコンデンサーの高さを抑えた。
・基板の細かいレイアウト変更。
・電源はスイッチングACアダプターで24Vは変わらないが、電源端子とC5間の抵抗を前回8Ωから、50Ωに変更した。
前回のは、突入電流が大きく、2AクラスのACアダプターでないと電圧が立ち上がらなかったが、この変更で1Aクラスのアダプターで問題無く、電源が入る用になった。
※上の回路図では、エミッタフォロアーは5ピンコネクタの、向こうに有るので省略してある。
下図右側が改修後。
基板CADはKiCadを使っている。
基板作成はレーザープリンタとフジの「ぶどう紙」を使った、トナー転写で自家作成している。
コレの詳しいやり方は「レーザープリンター ぶどう紙」あたりでググってみて。
アナログ低周波回路ゴトキで基板CADとは大げさだが、部品の大きさの検討がつけやすい為、最終的には基板を小型化出来ると思う。
使い方も、慣れてくると意外と簡単で、ハンダ付け前に部品配置や配線の太さなどの「作戦」を十分に練られるので意外と重宝している。
で、出来上がり。
・測定系 オーディオI/F M-AUDIO FAST TRACK PRO
・測定ソフト efu氏作成WaveSpectra (http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/)
(歪の測定限界は0.005%程度、上限周波数は40kHz)
・オシロ波形は、負荷抵抗の両端を合成。
・信号源はefu氏作成WaveGeneで作成したWAVファイルをCD-Rにリッピングして、CDプレーヤで再生で信号源とした。
※周波数特性、立ち上がり下がりの信号源は10MHzのシグナルジェネレーターの50Ωアンバランス。
まずは周波数特性。
※画像はカチッ!とすると大きくなる。
立ち上がり立ち下がり共に240ns
肝心の歪率は・・・
33Ω負荷2VPP(0.70Vrms)
63Hz 0.067%
1kHz 0.036%
16kHz0.037%
33Ω負荷で2VPPはエミフォロに流してる電流の値を考えると過大な負荷だが良い数字をキープしている。
次はクロストーク。
これも66Ω負荷で2Vppを0dbに合わせてある。
反対チャンネルに2Vpp(0db)を出力している(白い点線が入っている所)
3波とも100db超え!!
スクショは右チャネルだが、左も、ホボ同じ。
しかし、
最初にクロストークを調べてみた時は、
16kHzで70db!?
右側チャンネルだけ。
う~ん、無視できない数字ではないけど、他が良いだけにちょっとなぁ・・・
と思い、諦らめきれなかったのでケースの中の配線をマサグッてみた所、「すっ・・」と消える所があることを発見した。
場所は・・・
写真上の赤丸付近の基板上に右側チャンネルの入力が有る(下写真の赤緑橙のコードがつながっているソケット)。
そこに、ケース後部の入力ジャックからボリュームを繋ぐ配線が横切っていた(白赤黒が二組)。
このケーブルを引っ張ると上のスクショに有るクロストークが嘘のように無くなった。
コレは、考えてみれば当然でCDプレーヤーの低い出力インピーダンスを扱っている配線がボリュームを通って電圧レベルが下がり、インピーダンスが高くなった配線の真横に有ればインピーダンスの高い方が誘導を受けてしまうのは必然だ。
両者のインピーダンスが同じくらいならこんな影響は出なかったでしょう。
無理やりケースの隅を通そうとしたのが原因だった。
コレを受け入力ジャックVR間の配線を移動して天板に這う様にしたのが下の写真。
で、聴いてみた。
まぁ、前回作ったアンプとの区別は付かない。
回路がほぼ一緒だから当然だ。
特性が少し良くなったので「気分が良い」程度。
高域特性が良いせいか、明るい音調で、全帯域にわたってメリハリが効いている。
あまり高級なヘッドフォンを使わなくとも、低音がハッキリ聞こえるのでほんとにゴキゲンなアンプだ。
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